マントラチャンティング

祭祀者と受講生達による護摩焚き(2021年)


 マントラはサンスクリット語の深遠な音節や詩の集合体で、紀元前にインドで編纂されたヴェーダと呼ばれる最古の宗教書にも記述されています。日常生活から宗教儀式にまで用いられているマントラはヒンドゥー教の体系をより豊かにしました。

「マントラ」という言葉は2つの単語から成っています。"マインド"を意味する"Man"と、接尾語の"tra"は「ツール、道具」を意味します。文字通りの翻訳は「思考の手段」になります。救済の最高手段として、マントラを用いた祈りが主要となり、これらはヴェーダ時代の聖者の思考の原点でもありました。

 このように神の言語とされるサンスクリット語で構成されたマントラは、スピリチュアルな世界と繋がるルートであり、古来から受け継がれてきました。音の連なりが空気を振動させ、そのバイブレーションが効力を生み、帰依する人たちの中にエネルギーを集結させます。 マントラはまた、障害を克服し、未来の危険を回避し、敵を減らし、また富を築いたり智慧を授かるために、神々への祈りと共に用いられます。

 マントラの仕組みは、一つ一つの音が連なりを持って数珠のように集合体を成し、繰り返されることで力が生まれます。音楽によって癒されたり、鼓舞されたり、涙もろくなる作用があるように、マントラが空間に強い力を放射する要素が何であるか、科学者たちは研究しています。

 これらは私たちの心の奥まで響かせるパワフルなサウンドであり、私たちが専心して忠実に正しい発音で唱えられるとき、多くの作用をもたらします。マントラは自らが存在している意義と効果を持つため、詠唱をする時にそれについても意識されるべきです。マントラとその意味・効果に心の焦点が強く集まるほど、マインドはより高い心理状態へと引き上げられます。

 それぞれの発声は人体のさまざまな器官から作られています。 これらの音を説明するとき、それは7つのチャクラから発し、それにより8つのチャクラに作用します。さまざまなタイプのマントラがあり、それらは私たちの体の異なる部分で特有のエネルギーを活性化します。 正しい認識でマントラを唱えると、それは非常に強力な手段になることが認められるでしょう。

 ヨーガや瞑想のようなスピリチュアルな練習の場に随分普及し、よく馴染まれるようになりました。しかし、その中でマントラを真に活かしている人はどれほどいますか?もしあなたがマントラを学ぶとすれば、どのように使いたいですか?
まず、マントラの意味を深く理解すると共に、正しい発音で言うことが重要です。マントラの不適切な発音は効力が無いどころか害を受けることもありますので、マントラを唱える間に発音にも注意を払わなければいけません。何故ならマントラはエネルギーに基づく音の連なりであるからです。

 インドのスピリチュアルな伝統では、私たちの体はパンチャ・マハーブータと呼ばれる5つの元素(空・風・火・水・土)で構成されており、そのうち最初の”空”の元素が音と関係することを示しています。このように、音は5つの元素の中でも、最も精妙な姿を持ちますが、チャクラや図形、文字に例えられたシンボルを持ちます。 それぞれの音声に関連するシンボルの配置形式があり、階層が存在していることも研究されています。

 意味を知らずとも完璧に発声した場合、ある人はマントラの潜在的力と繋がり、深い瞑想を通してその解決策を得ることができます。マントラは、瞑想で繰り返されると、まず意識が大きく変わり、心の静寂さとマインドへの集中を高めます。

 ヒンドゥー教神話では、最も基本的なマントラはAum(オーム)です。これは「Pranava Mantra」とも呼ばれ、全てのマントラの起源です。オームは最も原始的かつ強力なマントラで、森羅万象の存在の象徴として見なされています。したがって、ヒンドゥー教のすべての祈りに用いられ、最後の節もオームで締めくくられています。

 ヒンドゥー教徒の神聖な書物(ヴェーダやウパニシャッド、バガヴァッド・ギーター、マハーバーラタ、ラーマーヤナ、ドゥルガー・サプタシャティー、チャンディのマントラ等)からの韻文や詩は、繰り返されるほど強力であるとされ、マントラの最高峰の域に属しています。これらの実践によって霊性を高めるために、古来から伝わる多くの技法とヒンドゥー思想が必要と考えられています。

 インドのスピリチュアルと文化に関心のある人々のために、初心者にもやさしいマントラ詠唱の教室を開催しています。 学童期から特別な訓練を受けた指導者が、マントラの意味とその使用法に関する知識をお伝えしています。 マントラチャンティングのコースは、基本予約制のもと行われます。

 このコースを受講するには、定められた日数はありません。あなたのスケジュールに合わせて希望日を選ぶこともできます。少なくとも3日間以上のコースに参加することをお勧めしています。マントラ・チャンティングはまた、瞑想の重要な媒体です。 このコースは、瞑想を生活に取り入れている人にとって非常に強力なツールになるでしょう。




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